「WG07 遠隔操作・自動化で実現する安全・安心な作業現場と迅速な災害対応」グループで開催したe建機®チャレンジ2023のレポートをお届けします。
建設機械の遠隔操作技術の社会実装(技術、法令、教育、人材、普及)を促進
非就労者、未経験者などの就労支援による、建設業界への新しい人材の創出(建設業界の少子高齢化、人材不足の解消)
建設機械の遠隔操作技術と新たな人材による災害救助、災害復旧支援体制の構築と社会貢献
テーマを、“Challenge to evolution”として、第1回からの進化を見せる大会を目指しました。また、9月1日の防災の日の実施として災害復旧支援としての有効性を示そうと考えました。
TDBC事務局(ウイングアーク1st株式会社内)のある六本木の高層ビルから千葉県夷隅郡大多喜町にある一般社団法人千葉房総技能センターの筒森AIセンターの建設機械を操作しました。
9月1日当日は非常に天気が良く、六本木の高層ビル36Fからは富士山がはっきり見えました。(夏では珍しい)
開催挨拶として、TDBC代表理事 小島薫より挨拶いただき、続いて、国土交通省 大臣官房 参事官(イノベーション)グループ 施工企画室 企画専門官 矢野公久様よりご挨拶をいただきました。
当日は、遠隔操作技能競技に加え、e建機®チャレンジ大会の目的を果たす技術を紹介しました。
下図に示す通り、e建機遠隔システムプラットフォームはオープンイノベーション(共創)のもと、技術を持った企業の共創により実現されています。
e建機®チャレンジ2023は2つの遠隔操作システムを紹介しています。1つ目は伊藤忠商事、伊藤忠TC建機、千葉房総技能センター、ARAVが開発しているシステムです。こちらのシステムで千葉県大多喜町筒森の建機の操作で競技を行いました。
もう一つが、株式会社大林組が開発している自動・自律・遠隔操作建機です。こちらは、六本木会場から大阪枚方にある大林組の西日本ロボティクスセンターの建機を操作します。
競技参加は4チームです。2名一組でバックホウの操作とキャリアダンプの操作をそれぞれ行います。
当日は非常に暑く、建設機械会場の作業は過酷でした。熱中症対策を施し、体調を崩す作業者は出ませんでした。
また、大塚製薬様より「ボディメンテ」をご提供いただき、現場で活用させていただきました。
建設機械会場での作業者のバイタル計測、操作パイロットのバイタル計測も行うことができました。センサーからのデータ送信周期がもっと短くなることでよりリアルタイム性が増し、万一の場合の迅速な対応が可能になります。
当日のライブ配信動画(ダイジェスト版)はこちらからご覧いただけます。
https://youtu.be/n-847ddeYFY
結果として、建設機械のオペレータが優勝しましたが、建設機械のオペレータではない人材でも、少しのトレーニングでプロの熟練の建設機械オペレータに遜色のない操作の実現が可能であるとの実証結果が得られました。さらに、3Dモニターの活用による奥行の把握とデータ圧縮技術の進化による映像データ転送遅延(レイテンシー)の改善が行われることにより、作業品質と作業効率(生産性)が向上し、精密な建設機械のオペレーションが可能になるはずです。今後も改善を行い、実証実験を進め社会実装へと進めていきます。「e建機」を商標登録し将来広くこの言葉が認知され社会と業界が変わることになればと願っています。
最後にe建機®チャレンジ2023へご支援いただいた各社様へ厚く御礼申し上げます。
国土交通省でも遠隔操作による施工の実現を目指した活動が行われており、TDBCでも協力をしてまいります。国土交通省主催の「遠隔施工等実演会~施工DXチャレンジ~11月20日~11月21日」にもTDBCとしてWGメンバーが中心となり出展し、e建機チャレンジ大会優勝チームのメンバーが招待参加する予定です。
TDBCはこのプラットフォームの社会実装を目指し、新たな人材の創出による人材不足と安全な施工、災害支援活動への未来を目指していきます。